楽園の瑕

 

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    ピチャン…

  耳元で跳ねる水音にサラーラはふっと意識を取り戻した。

 「気付いたか」

  目を開けたサラーラにファビアスが声をかける。

 「あ………」

  いつのまにか湯殿にいることに気付く。

  湯の中でファビアスに背後から抱きかかえられるようにして座っている。

  サラーラは意識を失う直前の事を思い出した。

  何度も何度もファビアスに攻められ、 息も絶え絶えになりながら彼のものを受け入れた事を

思い出す。

  どんなにサラーラが泣いて懇願してもファビアスはその手を弛めようとしなかった。

  何度サラーラが絶頂に達しても、 その分身から何も出なくなってもファビアスは体を貪り続けた。

  出すものがなくなっても、 サラーラは女性としての快感を感じ続ける。

  女性の部分はそこだけでサラーラを絶頂に導いたし、 ファビアスに開発された後庭は後ろだけで

絶頂に達することが出来るように仕込まれていた。

  延々と続く絶頂にサラーラは狂わされ続けた。

  過ぎる快感はすでに拷問だった。

  ファビアスを受け入れ続けたところが湯の中でじんじんと痛む。

  と、 ファビアスの手が湯の中でサラーラの下肢を探り出す。

 「ファビアス様………もうだめ……いや……」

 「俺を拒むなと言っただろう」

  もう出来ないと怯えた顔で首を振るサラーラに、 しかしファビアスは手を止めようとしない。

 「どんな時も俺を拒むなと言ったはずだ。 二度と俺を拒めぬようにするとな」

  言いながら、 ファビアスのもので潤んだサラーラの女性の場所に指を伸ばす。

  そっと指で開くと、 中からどろりと体液が流れ出すのがわかる。

  その感触にサラーラが思わず身を震わせた。

  中を指で掻き回され、 温かい湯が中に流れ込む。

 「あ……いや……お湯が……熱い……」

  ファビアスの膝の上で身をよじらせる。

 「じっとしていろ」

  その体を片手で押さえ、 ファビアスは自分のまた猛ってきたものをサラーラの中に押しこんだ。

 「ああっ」

  するりと入り込んでくる熱棒にサラーラは背をしならせた。

  度重なる行為にひどく敏感になった内部をまた擦り上げられ、 耐えられないとばかりに

いやいやと後頭部をファビアスの肩に擦りつける。

  湯の中に広がった白い髪がゆらゆらと揺れた。

  ファビアスが下から突き上げるたびに湯がちゃぷちゃぷと音を立てる。

 「あ…あ…」

  サラーラは体の外と中からの熱気に頭がぼうっとしてきた。

  ぐったりとファビアスにもたれて揺さぶられるがままになっている。

  ファビアスは背後から手を伸ばし、 サラーラの胸や腹を撫で擦った。

  その手が平たい腹の上で止まる。

 「……まだ子はできないか」

  一向に孕む様子のないサラーラにファビアスは焦れたようにつぶやく。

  早く子供が欲しかった。

  サラーラとの子供。

  自分とサラーラを繋ぐものが、 二人の絆をしっかりと結ぶものが欲しかった。

  ようやくサラーラの心が自分に向けられつつあると知り、 ファビアスの心から疑心の

念が少し薄れた。

  しかし完全にサラーラを信じたわけではない。

  愛すれば愛するほどサラーラを縛りたくなる。

  少しの間も自分から離れることなど許せなくなる。

  閉じこめて、 どこにも行けないように、 決して自分から離れないように体も心も縛りたくなる。

 「早く………」

  早くサラーラの中に自分の想いが実を結ぶように、 そう願う。

  サラーラを自分に縛り付ける確かな証。

 「愛してる」

  想いを込めて、 ファビアスはサラーラの中に自分の熱情を迸らせた。

  これが実を結び、 確かな形となることを願って。



 







                 
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