楽園の瑕

 

32

 

 

 

    逃れようとするサラーラの体を押さえつけて、 ファビアスはさらに指を動かした。

 「あ……っ」

  サラーラが小さな喘ぎ声を漏らす。

 「ここは気持ちが良くなると自然に濡れるんだ。 ほら、 もうこんなに濡れている。 よっぽど

先ほどまで後ろに入れられていたのが良かったんだな。」

  中で指を掻き回すたびに、 くちゅりと濡れた音がする。

  以前のような苦痛はなかった。

  ただもどかしいような快感だけが押し寄せてくる。

 「いや……嫌だ、 子供なんて……いや……いや……」

  サラーラは恐ろしい事実から逃げようとするが、 下肢から沸き起こる快感に身動きも

ままならない。

 「諦めろ。 お前は俺の妻になるんだ。 このタラナート王の正妃となって俺の子供を

生むんだ。 次のタラナート王をな。」

  ファビアスはそうことさら優しく囁きながら、 サラーラの体に覆いかぶさる。

 「いやあっ! やめて……お願い……っ」

  泣き出すサラーラに口付けを落とす。

 「ん……んん……っ」

  泣き声を口で塞ぎながら、 サラーラの未知の部分に自分の分身を押し当てる。

 「っ!」

  目を見開くサラーラにかまわず、 そのまま腰を進めた。

  引き裂かれるような痛みとともにファビアスが入ってくる。

 「〜〜〜っっ!!!」

  唇を塞がれたサラーラは、 喉の奥に封じられた叫び声の代わりに涙を溢れさせた。

 「痛かったか? だがこれでお前は女になった。……俺の妻だ。」

  ファビアスは満足そうにそう言うと、 初めて味わうサラーラの部分を堪能し始めた。

 「うっ…うっ…い、や……いや……」

  唇を解放されたサラーラが嗚咽を漏らす。

  今までとは違うところにファビアスの熱く固い肉棒を感じる。

  それが初めて異物を受け入れる場所に男の形状を覚えこませていく。

  中を突き上げるものが内部を擦り上げるたびに、じんわりとした快感が沸き起こる。

  「サラーラ……子を宿せ。 俺の子を……」

  ファビアスは嗚咽を漏らすサラーラの耳元で囁きながら、動きを早めていく。

  その言葉にサラーラは恐怖した。

 「や……いや……」

 「死ぬまでお前を離さない……未来永劫お前は俺のものだ。」

  やめて、 と首を振るサラーラになおも囁く。

 「子を産むんだ。 サラーラ……俺のサラーラ。」

  ファビアスの動きが速く激しくなっていく。

  中のものが固く膨れ上がっていく。

  その感触に、 サラーラはファビアスの絶頂が近いことを悟る。

 「いや……っ やめて……出さないで……っ!」

  子を宿す、 という言葉がサラーラに恐慌をもたらす。

 「やめてええ……っ!!」 

 「サラーラっ!」

  サラーラの中にファビアスの激情が迸った。

  熱い体液が流れ込んでくる感触に、 サラーラの体が強張った。

 「あ……あ……っ」

  体の中に入ってくる。

  子を宿してしまう……っ

  サラーラの目の前が真っ暗になる。

 「いやあ……」

  ファビアスが身を離すと、 サラーラはすぐにベッドから降りようとした。

  湯殿へ向かおうとする。

  中のものを全部洗い流してしまいたかった。

 「どこへ行く?」

  だが、 ファビアスの腕がそれを許さなかった。

 「離して……っ」

 「だめだ。 まだ終わっていない。」

  ファビアスはサラーラの腰を掴むと、 また自分の体の下に戻した。

  すぐさま欲望で貫かれる。

 「もう……許して……」

  サラーラは絶望に泣きながらファビアスの許しを乞うた。

  か細い泣き声が続く。

  ファビアスはその夜、 空が白々と明けはじめるまで一晩中サラーラの体を離さなかった。

  何度も何度もサラーラの中に欲望を注ぎ込み続けた。

 「子を宿せ……」

  暗い光を湛えた目でそう囁きながら。









                  
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