楽園の瑕

 

11

 

 

 

 

    サラーラの唇を貪りながら、 ファビアスは手で身体を探索していった。

  胸の飾りを見つけると、 親指で転がすようにしてそれが突き出してくるまで育てていく。

  固くなった先端を親指と人差し指でひねるようにつまみ上げると、 サラーラの身体が

びくんと跳ね上がった。

 「あっ……何?」

  戸惑った声を出すサラーラにファビアスは口元をゆがめると、 さらに小さな実をその指で

弄んでいく。

  指で押しつぶし、 または引っ張り上げる。

 「ああっ」

  尖った先端に爪を立てると、 サラーラが声をあげて身をよじった。

  ファビアスはサラーラの唇を解放すると、 顔を下げて赤く熟れた胸の飾りに口付けた。

  舌で全体を舐め、 先端を軽く噛む。

  もう片方の蕾は指で弄り続けた。

 「あ……あ……」

  自由になったサラーラの口からは、 ひっきりなしに吐息が漏れる。

  ぎゅっと掴んだシーツがよじれていた。

  ひとしきり胸の飾りで遊ぶと、 ファビアスは頭を下部に下げていった。

  臍の周りをぐるりと舐め、 くぼみに舌を差しこむ。

 「……ああっ!」

  サラーラが大きく身を震わせた。

  さらに頭を下げたファビアスは、 先ほどからその存在を主張し始めていたサラーラの

小さな分身に唇を寄せていった。

  普通よりも小さいサイズのそれを見て薄く笑うと、 先端を舌でぺろりと舐める。

 「あ……っ 何? い、いやっ!」

  サラーラは信じられないところを舐められ、 驚いたように目を見開いた。

 「いやっ そこは……だめ……っ」

  羞恥に頬が赤く染まる。

  そんなところを舐められるなんて思ってもみなかったのだ。

 「どうして? 可愛いぞ。」

  覆い隠そうとする手を片手で封じると、 全体を口に含んだ。

 「あああっ! ダメっ ダメっ」

  暖かいものに覆われ、 はじめて味わう性の快感にサラーラは瞠目した。

  そこにそんな快感があるとは知らなかった。

 「や、あ……どうして……どうしてそんなとこ……」

  首を振って快感を振り払おうとするサラーラの様子に、 ファビアスはふと気付いた。

 「まさか……何も知らないのか?」

  サラーラの様子は、 何も知らない子供そのものだった。

  17にもなった彼が性のことを知らないとは考えてもみなかった。

  が、 そこでああ、 と得心する。

  おそらく、 周りにいた者達は教えることができなかったのだろう。

  その身体に両方の性を持つサラーラに、 どうやって男女の営みを教えろというのか。

  そして、 サラーラは何も知識を得ないまま、 この歳まで育ってきたのだ。

  そう思い至ってファビアスは笑みを浮かべた。

  この美しい稀有な存在は自分だけのものだ。

  無垢なサラーラに愛しさがいや増す。

  決して離さない……!

  そう心に固く誓った。

  愛しさに高ぶる心のままに、 サラーラの両足を広げ、 秘所をあらわにする。

  双珠のすぐ下に息づく深みに目を留め、 満足の笑みをこぼすが、 そこには

触れず、 さらに奥のすぼみに手を伸ばした。

 「!! な、 何っ? いやっ そこは……やめて、 汚い……っ」

  とんでもないところに触れられて、 サラーラは顔色を変えた。

 「おとなしくしていろ。」

  ファビアスは逃げようと足をばたつかせるサラーラを押さえつけると、 ベッドの傍らに

ある台から小瓶を手に取った。

  どろりとした液体を手に取り、 すぼまりに指を差しこむようにして中へ流し込む。

 「いやあっ!」

  そのまま中を指で探られ、 サラーラは泣き声を上げた。

  気持ちが悪い。

  先ほどまでの快感が嘘のようだった。

  どうしてこんなことをされるのかわからない。

 「えっ、えっ……い、 やあ……抜いて……」

  内部を掻き回され、 その圧迫感と気持ちの悪さに嗚咽する。

 「……すまないが、 少し我慢してくれ。 サラーラ……なるべく力を抜くんだ。」

  指を引き抜いたファビアスは、 下肢をくつろげると怒張した自分のものを取り出し、

サラーラの後孔に押し当てた。

  そのままぐいと中に挿入する。

 「っっ!! いやあああああっ!]

  突然の激痛にサラーラの口から絶叫がほとばしった。

  目の前が真っ赤になる。

 「痛い……痛い……や、ああ…やめて……」

  あまりの痛みに呼吸ができない。

 「サラーラ、 力を抜け。 息を吐くんだ。」

  硬く強張った身体に、 ファビアスの顔がゆがむ。

 「息をしろ。 さあ、 大きく息を吸って……吐くんだ。」

  ピタピタとサラーラの頬を軽く叩く。

  言葉に促がされるかのように、 痛みにうつろになったまま息を吐こうとする。

 「そうだ……続けろ。」

  サラーラが息を吐いたところで、 ずんと奥まで一気に突き入った。

 「あっ あああああっ!」

  また悲鳴がほとばしる。

 「サラーラ……サラーラ……っ」

  かまわずファビアスは抜き差しを開始した。 

 「あっ……あうっ……い、たい……」

  体を揺さぶられ、 サラーラの目から涙が次から次へと流れ落ちる。

  体の中を焼けつきそうなほど熱いものが動いている。

  その恐ろしいものに中から引き裂かれそうだった。

 「い、や……あ……やめて……」

 「サラーラ……っ 俺のものだ……誰にも渡さない……っ」

  腰を突き入れながらファビアスは憑かれたようにつぶやき続けた。

 「あっ……あっ……あっ……」

  突き破られるかと思うほど奥の奥まで深く突き上げられる。

 「サラーラ……っ」

  体の上で動いていたファビアスが大きく身を震わせた。

  中に熱い何かがほとばしるのを感じる.

  それは体の奥の方までゆっくりと広がっていった。

 「うっ…うっ……えっ……」

  自分の身に何が起こったのか理解できないまま、 サラーラは重く覆い被さってきた

ファビアスの体の下で嗚咽を漏らしつづけた。







                   
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