Dear my dearest





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 ニコルの潤んだ瞳がデュークの欲望を直撃する。

 デュークは今夜こそ、と心に決めた。

 頭の片隅で、待て、と制止する声がかすかに聞こえた。

 が、こんなに可愛いニコルの嬌態を見せられて、いまさら止められるわけがない。

「……ニコル、可愛い私のニコル……今夜こそ君の全てをもらうよ」

 囁くデュークの声に、快感に半分意識を飛ばした表情でニコルがほんわりと笑った。

「……デューク様、大好き……あ、あんっ」

 下肢を捕らえた手に力がこもる。指で先端をぐりっと強く擦り上げられ、ニコルの背中が

弓なりに撓った。

 強い快感が身体を襲う。

「デュ、デューク様、デューク様……!」

 うわごとのように名を繰り返しながらニコルは一気に頂点へと駆け上った。

「あ……あ……」

 ニコルの口から小さな悲鳴がもれる。

 その声を聞きながら、デュークは迸る少年の精を手の平に受け止めた。







「あ………は、ああ………」

 欲望を出し切ったニコルは大きなため息をつくと、シーツの中へと身を沈めた。

「ニコル……」

 荒い息を繰り返す少年の肩にそっとキスを落とすと、デュークはもう一度下肢に手を伸ばした。

「…んっ! あ、ああっ! デューク様! だめ! ま、まだ…今……」

 絶頂の余韻が覚めやらぬ内にまたしても新たな快感に襲われ、ニコルが戸惑った声を上げた。

「ま、待って……い、痛い……っ!」

 敏感になったニコルのものをくいっと擦られ、途端走った痛みにも似た快感に、ニコルの

口から悲鳴があがる。

「デューク様、いや! どうして……」

 これでもう終わりだと思っていたニコルはどうしてだとデュークに訴えた。

「ニコル……でも、私がまだなんだけどね……」

 涙目で自分を見る少年に苦笑しながら、その小さな手を取り、自分の下肢に導いた。

「あ……」

 固く張り詰めたそこを認め、ニコルが目を見開く。

「私も気持ちよくさせてくれるかい?」

 ニコルはその時やっと、デュークがまだ終わっていないことに気づいた。

 そうだ、デューク様も僕と同じように気持ちよくなりたいに決まっているのに………。

 自分だけが気持ちよくなったことに申し訳なさがこみ上げてくる。

 そして、今度は彼の番だと思った。

 よいしょと、余韻が残る重い体を起こしてデュークに向き直る。

「……デューク様、今度は僕がやってあげる」

「……え?」

 もう一度少年を快感に落として、そして今度は最後までと思っていたデュークは、思わぬ

言葉にその動きを止めた。

「今度は僕がデューク様を気持ちよくさせてあげるの。デューク様、横になって?」

 ほら、と今まで自分が横になっていた場所を指差し、早くと催促する。

「いや、ニコル……私は……」

 そうではない。自分が横になるのではなく、もう一度ニコルに横たわって欲しいデュークは

何とも言えない複雑な表情で少年を見た。

「早く横になってくれないと僕、できないよ?」

「いや、だからニコル……」

 ニコルが横になってくれと言いたいデュークだったが、真剣な表情で自分を見るニコルに

何と説明したものかと頭を抱えてしまう。

「デューク様、横になるのお嫌?」

 なかなか横たわろうとしないデュークに、ニコルがはたと気づいた様子で言った。

「! そう! そうだ、ニコル。私が横になるのではなく……」

「このままがいいの?」

「!」

 ニコルの言葉に飛びついたデュークだったが、しかし次の言葉にまた声を詰まらせた。

「座ったままって、僕できるかなあ……」

 そんなデュークの様子に気づかないまま、ニコルは真剣にデュークの下肢を見つめた。

「ニ、ニコル? どこを見て………っっ!」

 突然、下肢を掴まれたデュークがあまりの驚きに声にならない悲鳴を上げた。

「デューク様、何だかとっても大きい……」

 初めて触る大人の男性のそこに、ニコルが驚いたように言った。

 自分のものよりはるかに大きい熱い存在が、手のひらを通して感じ取れる。

「ニ、ニコル……」

 服の上からその存在を確かめるようにさわさわと触られ、デュークはどうしていいのか

わからず、ただ呆然としていた。

「デューク様、出していい?」

 直にこの目で見たくなったニコルがそう問いかけてくる。

「っ!」

 慌てて阻止しようとしたデュークだったが、それよりも先にニコルが下肢を寛げ、デュークの

ものを出してしまう。

「……わあ…………」

 その大きさにニコルの口から驚きの声が上がる。

 目で見ると、それは想像以上に大きく見えた。

 自分のものの二倍以上は確実にある。

 ニコルは目の前に現れたデュークのものを両手で掴むと、まじまじと観察を始めた。

 たまらないのはデュ−クの方だった。

「ニコル……っ!」

 こんなはずでは、と心の中で叫ぶ。

 主導権を握るのは自分だったはずだ。なのにどうして………。

 少年の無邪気な好奇心を侮っていた。

 臆することなく自分のものを手に取り、試すように両手の中に握り締めるニコルに、

デュークの頭の中は真っ白になった。