Dear my dearest

 

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   「一緒に寝よう」

  デュークがにっこりと笑う。

  良かった……!

  ほら、と上掛けを持ち上げて待っているデュークの元に、 ニコルは嬉しくなって駆け寄った。

  あったかい……v

  体温でぬくもったベッドの中でデュークにぴったりと寄りそう。

  あ……デューク様の匂い……

  何だか自分が大切に守られている気がした。

  心の中にほっこりとした心地よさが生まれる。 と同時にデュークへの想いがどんどん膨らんでいくのがわかった。

  大好きで大好きで、 胸がぎゅうっとなるほどに大好きで………

  その想いのままにニコルはつぶやいた。

 「デューク様、 大好き」

  途端、 傍らの温もりがぴくりと動いた。

 「?………っ!」

  何だと見上げようとしたニコルの体がふいにシーツに押しつけられた。

  びっくりして目をぱちくりとさせたニコルは、 上から覆い被さるようにして自分を見るデュークに気付いた。

 「デューク様?」

  どうしたんだろう、 何だか怖い顔してる……ちょっと怖い……

  先ほどまでの心地よさも忘れ、 ニコルは不安気に彼を見上げた。

  その顔に気付いたのか、 デュークの表情がふと和らぐ。

  そしてニコルに顔を寄せて囁いた。

 「………ニコル、 私が好きかい?」

 「はい、 とっても…とっても大好きです。 デューク様が一番好き」

  素直に問いに答える。

  今更だった。 何度も何度も告げた言葉だった。

  そんなこと、 デューク様知っているはずなのに………

  当たり前のことを聞かれたニコルが不思議そうな顔をする。

  そんなニコルにデュークの瞳に今までに見たことのない光が灯った。

 「……私が君に何をしても?」

  先ほどよりも幾分低い声でまた問いかけられる。

 「……?」

  何って………何だろう………デューク様、 何かしたいのかな。

  頭の中に???マークを飛ばせながらもニコルはコクンと頷いた。

  だって大好きなデューク様が自分の嫌なことをするはずがないもの。

  そんな絶対的な信頼がニコルの中にはあった。

 「ニコル………」

  そうつぶやいたデュークが頭を下げてニコルのピンク色の唇にそっとキスを送る。

  キスは大好き………

  もう何度も交わしたキスをニコルはうっとりと受け入れた。

  何度も唇を啄ばまれ、 知らずニコルの息が上がっていく。

 「っ?!」

  突然、 温かいものが口の中に侵入してきた。

  思わず目を見開いたニコルだったが、 口中に侵入したものはそのまま中を探るように蠢き始めた。

 「んん…っ」

  とっさに抵抗しようと腕が上がったが、 すぐにそれはデュークの首へと回された。

  なんだろう………気持ちいい……

  口の中を隈なく探っていくそれがデュークの舌であることに気付いたニコルは初め戸惑いを感じたが、

あまりの心地よさに次第に体の力が抜けていくのを感じた。

  体の奥がなんだかむずむずしてくる。

  小さな熱の塊がだんだんと大きくなっていくようだった。

  ようやくデュークが唇を放したときには、 ニコルは頬を紅潮させ、ただうっとりとデュークを見つめるだけだった。

  そんなニコルの陶然とした表情を愛しそうに見る。

  キスに濡れた唇に指をなぞるように添わせる。

  赤くなり、 かすかに開かれた唇はまたキスを誘っているようだった。

  急激に欲望がこみ上げる。

  あまりの強さに下半身が痛いくらいだった。

  欲しい……っ

  そのことだけが頭の中にある。

  もう耐えられなかった。

 「ニコル………」

  欲望にかすれた声で愛しい少年の名を呼ぶ。

  とろんとした目がデュークを見上げていた。

 「ニコル………君が欲しい……」

  少年の体を抱きしめる腕に力をこめながら、 デュークはその小さな耳元で熱く囁いた。