Dear my dearest
59
「一緒に寝よう」 デュークがにっこりと笑う。 良かった……! ほら、と上掛けを持ち上げて待っているデュークの元に、 ニコルは嬉しくなって駆け寄った。 あったかい……v 体温でぬくもったベッドの中でデュークにぴったりと寄りそう。 あ……デューク様の匂い…… 何だか自分が大切に守られている気がした。 心の中にほっこりとした心地よさが生まれる。 と同時にデュークへの想いがどんどん膨らんでいくのがわかった。 大好きで大好きで、 胸がぎゅうっとなるほどに大好きで……… その想いのままにニコルはつぶやいた。 「デューク様、 大好き」 途端、 傍らの温もりがぴくりと動いた。 「?………っ!」 何だと見上げようとしたニコルの体がふいにシーツに押しつけられた。 びっくりして目をぱちくりとさせたニコルは、 上から覆い被さるようにして自分を見るデュークに気付いた。 「デューク様?」 どうしたんだろう、 何だか怖い顔してる……ちょっと怖い…… 先ほどまでの心地よさも忘れ、 ニコルは不安気に彼を見上げた。 その顔に気付いたのか、 デュークの表情がふと和らぐ。 そしてニコルに顔を寄せて囁いた。 「………ニコル、 私が好きかい?」 「はい、 とっても…とっても大好きです。 デューク様が一番好き」 素直に問いに答える。 今更だった。 何度も何度も告げた言葉だった。 そんなこと、 デューク様知っているはずなのに……… 当たり前のことを聞かれたニコルが不思議そうな顔をする。 そんなニコルにデュークの瞳に今までに見たことのない光が灯った。 「……私が君に何をしても?」 先ほどよりも幾分低い声でまた問いかけられる。 「……?」 何って………何だろう………デューク様、 何かしたいのかな。 頭の中に???マークを飛ばせながらもニコルはコクンと頷いた。 だって大好きなデューク様が自分の嫌なことをするはずがないもの。 そんな絶対的な信頼がニコルの中にはあった。 「ニコル………」 そうつぶやいたデュークが頭を下げてニコルのピンク色の唇にそっとキスを送る。 キスは大好き……… もう何度も交わしたキスをニコルはうっとりと受け入れた。 何度も唇を啄ばまれ、 知らずニコルの息が上がっていく。 「っ?!」 突然、 温かいものが口の中に侵入してきた。 思わず目を見開いたニコルだったが、 口中に侵入したものはそのまま中を探るように蠢き始めた。 「んん…っ」 とっさに抵抗しようと腕が上がったが、 すぐにそれはデュークの首へと回された。 なんだろう………気持ちいい…… 口の中を隈なく探っていくそれがデュークの舌であることに気付いたニコルは初め戸惑いを感じたが、 あまりの心地よさに次第に体の力が抜けていくのを感じた。 体の奥がなんだかむずむずしてくる。 小さな熱の塊がだんだんと大きくなっていくようだった。 ようやくデュークが唇を放したときには、 ニコルは頬を紅潮させ、ただうっとりとデュークを見つめるだけだった。 そんなニコルの陶然とした表情を愛しそうに見る。 キスに濡れた唇に指をなぞるように添わせる。 赤くなり、 かすかに開かれた唇はまたキスを誘っているようだった。 急激に欲望がこみ上げる。 あまりの強さに下半身が痛いくらいだった。 欲しい……っ そのことだけが頭の中にある。 もう耐えられなかった。 「ニコル………」 欲望にかすれた声で愛しい少年の名を呼ぶ。 とろんとした目がデュークを見上げていた。 「ニコル………君が欲しい……」 少年の体を抱きしめる腕に力をこめながら、 デュークはその小さな耳元で熱く囁いた。
|