クリスマススペシャル座談会
参加者 : 連載中の「Dear〜」「楽園〜」「Spicy〜」の主要人物
リカルド : |
え〜 管理人の気まぐれで急遽クリスマススペシャル座談会を開くことになりました。 司会をさせていただきます、リカルドと申します。 |
カディス : | ……同じく司会をさせていただきます、カディスと申します。 |
デューク : | カディス、お前一体そこで何をしてるんだ。 というか、クリスマスというのは何だ? |
健太 : | はいはいっ クリスマスっていうのは美味しいものが食べられる日でね! |
ニコル : | 美味しいもの? それってご馳走とかお菓子とかですか? |
サラーラ : | あっ 僕ケーキが食べたいっ いっぱいクリームが乗ったものっ それからね…… |
ファビアス : |
サラーラ、それくらいいつでも用意してやっているだろう。 わざわざこんなところで 言わなくとも……。 |
デューク : | ニコル、美味しいものが食べたいのならこんなところじゃなく、私がいいところに……。 |
カディス : | ……デューク様、その言い方は少し聞こえが悪いように……。 |
ファビアス : |
そもそもクリスマスというものは一体何なんだ。 単に美味いものを食べるだけなら わざわざこんな場を設けなくてもよかろう。 |
貢 : |
クリスマスっていうのは特別な日なんですよ。 特に恋人達にとってはね。 まあ、 一種のお祝いの日、とでも言えばいいのかな。 |
デューク : | 祝いの日? 恋人達の? |
健太 : |
それとね、サンタさんがプレゼントをくれるんだ。 ………本当は本当のサンタさん じゃないけどね。 |
ファビアス : | サンタ? プレゼント? |
ニコル : | ? プレゼント? 誰かお誕生日なんですか? |
杵築 : | 正解。 クリスマスはキリストという昔の聖人の誕生を祝ったものだ。 |
淳平 : | あっ! お前、こんなところまでパソ持って来んなよっ! 何やってんだよっ |
ファビアス : | 聖人? 他人の誕生日なぞ祝って何故楽しんだ? それも昔の人間なのだろう。 |
デューク : |
同感。知らない人間の誕生日なんて関係ないと思うね。それがどうして祝いの日に なるのか理解できないね。 |
杵築 : |
正確に言うと、実際は12月25日はキリストの誕生日ではないようだな。キリスト教 によって後から定められたものらしい。元々はローマ時代の色々な宗教の祭典の日 だったようだ。一番わかりやすいのは冬至祭かな。 |
淳平 : | えっ 嘘っ クリスマスってキリストの誕生日じゃないのか。 |
杵築 : |
ああ、キリスト教徒が布教のためにキリストの誕生日をその当時行われていた冬至祭りと同じ25日として、わかりやすくそして広がりやすくしたんだろう。 |
貢 : | へえ、それは知らなかったな。 |
健太 : | ?????? |
ファビアス : |
ああ、それなら理解できる。 要するにそのキリスト教とやらの力を広げるために 使われた一種の策略だな。 平民の間に何かを広げるには祭りなどの祝い事と引っ付 けるのが手っ取り早い。奴らは身近な物事から覚えていくからな。 考えたな。 |
デューク : |
楽しいことなら平民の間にも浸透しやすいしね。 それが今も続いているってことか。 ということは、君達は皆キリスト教とやらなのか? |
健太 : | (ふるふると首を振る) 違う。 |
貢 : | 俺も家は仏教だな。 |
淳平 : |
今時、そんなこと考えて祝ってるやつなんていないだろう。現に俺達もクリスマスの 意味すら知らなかったじゃないか。楽しけりゃいいんじゃないの。 |
デューク : | ……いい加減だな。 |
ニコル : | デューク様、このケーキ食べていいのかなあ……(目の前のケーキを物欲しそうに見る) |
貢 : | ああ、ごめんね。勧めもしないで。 どうぞ、いくらでも召し上がれ。 |
ニコル サラーラ : | うわーいっ! |
健太 : | 先輩。このケーキやお菓子、皆先輩が作ったの? |
貢 : | そうだよ。料理は淳平だけどね。 美味しい? |
健太 : | うんっ! 最高っ |
淳平 : | 残さず食えよ。この俺様が腕によりをかけて作ったんだからな。 |
杵築 : | ………(無言でフォークを動かす) |
淳平 : | っ! てめっ 言ってる側から人参のソテーをこっちの皿に放り込むなっ! |
貢 : | 仲良いねえ。 |
淳平 : | よくねえっ!! |
カディス : | ……で、ですね。デューク様ときたら………。 |
リカルド : | ああ、わかります。うちの陛下も同じようなことが……つい先日も……。 |
(すでに司会の任務そっちのけで自分の主人に対する苦労話に花が……。) | |
ファビアス : | サラーラ、美味いか? |
サラーラ : | うんっ! はい、ファビアス様も、あ〜ん……(ケーキのフォークを差し出す) |
ファビアス : | (口を開き……) ……ああ、美味いな。 |
(それをじっと見ているデューク) | |
デューク : | ………ニコル、美味しいかい? |
ニコル : | うん、とっても美味しいです!(ひたすら幸せそうに食べている) |
デューク : | ………………(少し悲しそう) |
ファビアス : |
……ふむ。クリスマスとやらの意味は結局よくわからんが、しかしなかなかこういうのも いいかもしれんな。 恋人同士の祝い事か……。このような日は他にもあるのか? |
貢 : |
あ〜、そうですね………お互いの誕生日を祝うのは当然ですが、日本中で皆がやっている ものとしては、あとはバレンタインなんてありますね。 |
デューク : | バレンタイン? それも恋人同士の祝い事なのか? |
貢 : |
ちょっとニュアンスは違いますけれど……女性が好きな男性にチョコを送る日なんです。 要するに告白する日、ですか。 恋人同士なら、改めて愛を確かめ合う日とでも言いますか。 |
ファビアス : | ほお………。 |
貢 : |
男性はお返しに、ホワイトデーにキャンディなどを贈るんですよ。もちろん、別のものでも かまいませんがね。 |
デューク : | 別のもの? |
杵築 : |
要するに、恋人同士いちゃいちゃするための口実ってことだ。クリスマスにせよ、バレンタイン にせよ、贈る物なんてなんだっていい。 まあ、一番喜ばれるのは本人だがな。 |
デューク : | 本人? |
貢 : | ………要するに、「私を食べて」という意味です。 |
デューク、ファビアス : | !!!!! |
リカルド : | (体をぶるっと震わせて) ………何やら悪寒のようなものが走ったのですが……。 |
カディス : | ……私も何だか嫌な予感のようなものが……。 |
(二人顔を見合わせて、恐る恐る主人達の方を伺う) | |
ニコル : | このクッキー美味しいですね〜 |
サラーラ : | 僕はこの果物の乗ったケーキが好き。 |
健太 : | 先輩の作ったお菓子は世界一だもん。 |
淳平 : | お前ら、お菓子ばっかり食ってないで、俺の作った料理も食え! |
ニコル : | ………うわ〜 このお料理、貴方が作ったんですか。 これ、作り方教えてくれませんか。 |
淳平 : | これはな……。 |
デューク : | ……日本にはいい習慣があるのだな。 |
ファビアス : | まったくだ。我が国でも取り入れてみるか……。 |
貢 : | ………何か間違った認識を与えてしまったような気が……。 |
杵築 : | 気のせいだろう。 |
カディス : | ………なにやらデューク様の様子が………。 |
リカルド : | ……陛下、何か企んでいらっしゃるような………。 |
(もう一度顔を見合わせ) | |
カディス : | ……放っておきましょうか。 |
リカルド : | そうですね。触らぬ神に……と申しますし。サラーラ様達は楽しくされているようですしね。 |
カディス : | では我々はあちらの部屋でゆっくりと話をしませんか。ちょうど良いお茶がありますので。 |
リカルド : | いいですねえ。 ………お互い、仕える相手には苦労しますね。 |
カディス : | 本当に。 |
(また顔を見合わせ、深くため息をつく) | |
そして、司会者もいなくなった会場はすでに収拾のつかない状態に………。 | |
オチのないまま終わる。 ………お粗末さまです。 | |