ある日の出来事 〜 恭生の受難 〜

 

 「ただいま。」

  そう言いながら恭生は玄関のドアをがらがらと開いた。

 「あちい……」

  炎天下の中を本屋まで歩いてきたので汗びっしょりだ。

 「ちくしょう、 せっかくさっき稽古の汗流したのに。」

  ぶつぶつ言いながら靴を脱ぐ。

 「逸生兄さん、 頼まれてた……?」

  奥にいるであろう兄に呼びかけながら歩きかけて、 バタバタと騒々しい足音に眉を顰める。

  見る間に騒音の発信源が姿を現わす。

 「なんだよ、 そんなあわてて……っ!! うわっ なっ何?!」

  恭生は問いかける間もなく、 ものすごい形相をしたジェフリーはいきなり恭生を肩に抱え

上げると、 そのまま廊下をずんずんと大またに歩き出した。

 「ジェフリーっ 下ろせっ 何するっ!」

  真っ赤になって抵抗するが、 がっしりと腰を捕まれて下りることができない。

 「いきなり何だよお前っ こらっ 聞いてんのかっっ」

  罵声にも無言のまま、 離れの恭生の部屋まで抱えていく。

  部屋のドアを足で蹴破るように開くと、 同じ足でバタンと乱暴に閉める。

  奥にあるベッドにどさっと下ろされ、 やっと恭生はまともにジェフリーの顔を見た。

 「……何? お前何だか目据わってるぞ。 おい、 何とか言えよ。」

  ジェフリーの何やら険しい表情に気付き、 恭生が不安気な声を出す。

 「……どこに行ってた?」

 「え?」

  低く地面を這うような声で訊ねられ、 恭生は一瞬何を言われているのか分からなかった。

 「俺に黙って一体どこに行ってたんだ?」

 「どこにって……」

  ジェフリーの問いにようやく恋人の不機嫌の原因に気付いたが、 だからといってどうして

黙って買い物に行ったくらいで、 それも近所の本屋にだ、 そこまで責めるような目で見られ

なければならないのか分からない。

 「あのな……」

  どう言っていいのか分からずため息をつく恭生に、 ジェフリーは自分に言えないような所に

行ったのかと勘違いして目を吊り上げる。

 「……離さないからな。」

 「え? ……うわっ!!」

  低くつぶやかれた言葉を聞き取れず顔を上げた恭生を、 ジェフリーは乱暴にベッドに押し

倒した。

  その上に全身でのしかかり、 恭生が逃げられないようにする。

 「なんなんだよっ さっきからっ」

  さすがにブチ切れかけた恭生が乱暴に上にのしかかる体を押しのけようとする。

  その行動がまたジェフリーの怒りに油を注ぐ。

 「俺から逃げる気か? やっぱり誰か他のやつと……っ!」

 「!!!」

  ボタンを引き千切らんばかりに乱暴にシャツを剥ぎ取られ、 ジーンズのホックを外される。

 「やっやめっ……やめろっ」

  恋人の荒々しい行動に、 恭生は抵抗することも忘れ怯えた声を出した。

  その声にふっとジェフリーの強張った肩から少し力が抜けた。

  しかし恭生から衣服を剥ぎ取る作業は止まらない。

 見る見る内に全裸にされていった。

 「ジェ、 ジェフリー?」

  無言のままもくもくと手を動かすジェフリーに、 恭生が再度声をかけた。

  ようやく恭生の顔を見たが、 その目にいつもの優しさは見られない。

  不穏に光る目にまた恭生が怯える。

 「な、 なあ……とりあえず、 まず、 何か話そうぜ。 お前何か勘違いしてるようだし……」

 「俺に飽きたんだろう。」

 「は?」

 「他に好きなやつできたのか? そいつと会ってたんだろう。」

 「……はあ?」

  恭生は話が飲み込めず、 間の抜けた声で答えた。

  ジェフリーはそんな恭生に、 もう話にならないとばかりに覆い被さり手を動かし始めた。

 「あうっ!!」

  乱暴に下半身を握り締められ、 恭生は背中をのけぞらせた。

 「ちょっ やめっ!」

  闇雲に手を動かし何とか逃れようとすると、 ちっと舌打ちする音が頭上で聞こえ、 くるりと

うつぶせにされる。

  そしてそのまままた足の間に伸びてきた手に恭生の分身を掴まれる。

 「あっあっっ」

  たまらずあえぐ恭生の首筋をジェフリーがきつく吸い上げる。

  赤くついた所有の印に少し満足の笑みを浮かべると、 そのまま背中に唇を滑らしていった。

  所々きつく吸い上げながらだんだん下へと下がっていく。

  腰に噛み付くように口付け、 ひときわ大きな印をつける。

  そしてその跡を指でなぞり、 もう一度舌で舐める。

 「こんなところにこんなものつけていたら、 誰とも浮気できないな。」

  そう言いながら、 更に太ももの内側にまで印をつけていく。

 「……な、何……っ?……はあ…あっ」

  ジェフリーの激しい愛撫に半分意識を朦朧とさせながらも、 無視できない一言を聞きとがめる。

 「飽きたなんて言わせない。 誰にも渡さない。 他のやつに目を向ける暇もないくらい、 誰のこと

も考えられないくらいに抱いてやる。」

  そうつぶやくと、 ジェフリーは自分ももう余裕のない様子でおざなりに後の蕾をほぐすと一気に

自分を埋め込んだ。

 「あああっっ」

  痛みと衝撃に恭生が悲鳴を上げる。

  しかしジェフリーはかまわずそのまま乱暴に動き出した。

 「あっ…あっ…あっ…っ」

  腰だけ持ち上げられた状態で背後から突き上げられ揺さぶられ、 恭生はただ声にならない

声を漏らすだけだった。

  ジェフリーの動きがだんだんと激しくなり、 そしてひときわ大きく突き上げられたと同時に

動きが止まる。

 「…う……」

  低くうめき声がして、 背中にどさっと体重がかかった。

  恭生は呆然とことが終わるのをただ感じていた。

  首筋にあたる荒い息がだんだんと静まっていく。

  ジェフリーの体の下から抜け出そうとして、 くるりと体の向きを変えられる。

 「あうっ」

  体の中にまだジェフリーが入ったままの状態で動かされ、 その衝撃に息を飲む。

  ふと恭生は中にあるものがまだ固いままであることに気付いた。

 「おいっジェフリーっ」

  あわてて体を離そうとするが、 しっかりとベッドに押さえつけられていて動けない。

  その間にも体の中のものは大きく硬度を増していく。

 「まさか……だろ?」

  このままもう一度……?

  顔を引きつらせる恭生に、 ジェフリーは危険な笑みを浮かべた。

 「言ったろう、 何も考えられなくなるくらい抱くって。」

 「!」

 「君も楽しんでいるようだし。」

  そう言って掴まれた恭生の下半身は、 信じられないことに先程の行為で達し濡れていた。

  そして今また大きくなっている。

 「たっぷりと教えてあげるよ、 俺から逃げたらどうなるか。」

  そう言いながらまた腰を動かし始める。

 「○×△■☆〜!!!!!!」

  反論しようとした恭生の言葉は、 胸と下半身でうごめき始めた手と体の奥深く突き上げるものに

翻弄され、 次第に喘ぎ声に変わっていった。

  その後、 恭生は一晩中ジェフリーに寝かせてもらうことができなかった。







  次の日、 ようやく自分の勘違いに気付いたジェフリーは、 顔を引きつらせ低身低頭で謝ったが

恭生がすぐに許したかどうかは謎。








END



……何書いてんだか(恥)






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