自分の手を取らない貴方に、エリヤの形相が変わった。
いえ、その顔はもうエリヤとは似ても似つかない………
「っ! ユールっ」
そう、それはユールだった。
「残念。エリヤのパーティなんかめちゃくちゃにしてやろうと思ったのに」
悔しそうにそう言うユールから
慌てて逃げ出した。
「ああ、危なかった」
長い廊下を無我夢中で走り、
ユールから完全に逃げ切ったとわかったところで、
ほっと息をついた。
「今度こそ、エリヤ王子のパーティに行かなきゃ」
思いながら、長く続く廊下を歩いていった。
しばらくして
目の前に大きな扉が現れた。
それを開くと、そこは豪華な大広間だった。
そして、そこには微笑むエリヤが立っていた。
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